第三回 セカンダリードミナント —セブンスコードが大活躍—
今回はセカンダリードミナントについてです。
はじめての音楽理論コード編2は、今回で知識の勉強は最後です。次の回はコード進行分析となります。
はりきっていきましょー。
- セカンダリードミナントとは
あるキーのダイアトニックコードを一時的なトニックとして捉え、それに対するドミナントを置くことがあります。
このドミナントコードをセカンダリードミナントといいます。
実は、はじめての音楽理論 コード編1 第七回にもセカンダリードミナントは登場していました。
Fly me to the moonのコード進行分析の中で、“一時的なツーファイブ”として登場していました。
さて、例を挙げながら見ていきましょう。
Bye bye blackbird(key=Fメジャー)の28小節目(最後から5小節目)に
D7
が登場しています。
これはFメジャーキーのダイアトニックコードではないですね。
じゃあ何なのでしょう?
せーの、セカンダリードミナント!
D7の次の小節を見てみると、コードは
Gm7
です。
これはFメジャーキーのダイアトニックコードですね。
Ⅱm7であり、性格分類ではサブドミナントになります。
しかし!これを一時的にトニックとみなすことができます。
こやつもつかの間だけ主役になれるんです。
Gm7を一時的にまるでⅠm7のようにとらえ、それに対するドミナントとしてⅤ7、すなわちD7を置くことができます。
このD7をセカンダリードミナントというのです。
- ツーファイブ化するセカンダリードミナント
セカンダリードミナントの前に、Ⅱm7(またはⅡm7♭5)のようなものを加え、ツーファイブのように変形することもできます。
例として、Confirmation(key=Fメジャー)を見てみましょう。
14-15小節のコード進行は
| Am7♭5 D7 | Gm7 C7 |
となっています。
このD7はFメジャーのダイアトニックコードではありませんね。
じゃあ何なのでしょう?
せーの、 え?もういいって?
はい、先ほどと同じ形なのでわかるでしょう、セカンダリードミナントです。
さっきと違うのは、前にAm7♭5がついていることです。
Gm7を一時的なトニック、Ⅰm7のように見立て、それに対するツーファイブ、Am7♭5→D7を置いたのです。
- ポイント
セカンダリードミナントのキーワードは一時的なトニック
ツーファイブ化もあり