ボサノバとサンバのベースライン

2018年1月4日

shiro2

どもー。シロ助です。
みんなはブラジルと言えば何を思い浮かべるかな?
日本からみて地球の裏側?サッカーが強い?情熱の国?

いやいや、ブラジルと言えばボサノバとサンバでしょ!

ということで、今回はブラジリアンリズムの代表選手、ボサノバのベースラインを学びましょう。サンバのベースラインを学ぶことがボサノバを学ぶ助けになります。

サンバとボサノバは同じくブラジル系のリズムであり、共通のグルーヴを持ちます。
なので、サンバのテンポを遅くしたのがボサノバ、ボサノバのテンポを速くしたのはサンバ、と捉えることもできます。


[1] 演奏例、楽譜

まずはボサノバの演奏例とその楽譜を見てみましょう。
コード進行はThe girl from Ipnemaです。

楽譜:The girl from Ipanema




[2] スルドのリズムからきたベースライン

サンバで使われる打楽器に、スルドというものがあります。
簡単に言うと低音の太鼓です。

スルドで演奏されるリズムはブラジル系リズムの基本パターンであり、サンバやボサノバのベースラインはこれを模したものです。

リズム譜を見てみましょう。

スルド普通

ちょっと練習してみようと思いますが、ここで重要なポイントを一つ。

ポイント:2拍目アタマにアクセント

(サンバやボサノバは2拍子です。詳しくは「コラム ブラジル系とキューバ系のリズムを区別しよう」をご参照ください)

アクセントに注意して練習してみましょう。


[3] スルドのリズムをベースで練習

今度はベースで練習してみましょう。
ポイントを覚えていますか? そう、2拍目アタマにアクセント!

このアクセントをベースで表現する方法はいくつかあります。
①1拍目にルート、2拍目に低い方の5度を弾く
②1拍目は短く、2拍目は長く弾く
③1拍目は弱めのピッキングで、2拍目は強めのピッキングで弾く

特に、5度は低い方を選択すること、1拍目と2拍目では音符の長さを変えること、これらが非常に重要です。
そこから、「1拍目と2拍目で、長さの違う音を交互に弾く」というブラジリアンのベースラインの特徴が生まれるのです。

まずは速めのテンポ、サンバから

次に遅めのテンポ、ボサノバ




[4] 1拍目をどのくらいの短さにするかでグルーヴを変える

そうなんです。単純に聞こえるブラジリアンリズムのベースラインですが、1拍目の長さにこだわることで、グルーヴを変えることができます。

実際の演奏例で見てみましょう。

(1拍目ふつう)
スルド普通

(1拍目短め)
スルド短め

(1拍目長め)
スルド長め


[5] カフェっぽいボサノバとフュージョンサンバ?

みなさんは、こんなベースラインパターンを見たことはありませんか?

カフェボサ

フュージョンサンバ

これらは本来のブラジリアンリズムのベースラインからアレンジして作られたベースラインなのですが、2拍目アタマにアクセントというスルドのリズムの特徴が大幅に失われ、ボサノバやサンバ独特のグルーヴが出しにくいベースラインとなっています。

これはこれで一つのベースラインなのですが、基本グルーヴが出しにくいため、こればかりやっているとボサノバやサンバのリズムが身に付きません。
最初のうちは、
①1拍目にルート、2拍目に低い方の5度
②1拍目は短く、2拍目は長く、重く
つまり、2拍目アタマにアクセントを意識して練習していきましょう。


[6] 再び演奏例 楽譜

最後に、Spainのサンババージョンを載せておきます。
ラテンバージョンと全然違うことも確認してみてください。

楽譜:Spain (Samba)


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どうでしょうか。
ボサノバ、サンバのベースラインといえばスルドのリズム!
ぜひ身につけましょう。

ではまた。


参考文献
『ベースラインの技』箭島裕治著



Posted by シロ助