第4回 ドミナントファイブで使えるスケール
さて、前回省略したドミナントファイブで使えるスケールです。
今回はいわゆるジャズっぽいスケールが登場します。
以下のスケールを学びます。
それぞれ、ドミナントファイブのコードトーン(1,3,5,♭7)がスケール内に含まれていることに注目しながら見ていきましょう。
●ミクソリディアン
まずはミクソリディアン。これは復習ですね。
メジャースケールの5度から始めて作ります。
結果的に、メジャースケールの7度を♭7度に変えたスケールとなります。
メジャーキーのV7でよく使用されます。
スケール自体がメジャーキーのニュアンスを持っているため、マイナーキーのV7では使用されません。
●リディアン7
リディアンスケールの7度を♭7度に変えて作ります。
結果的に、メジャースケールの4を♯4に、7を♭7にしたスケールとなります。
メジャーキーのV7でよく使用されます。
スケール自体がメジャーキーのニュアンスを持っているため、マイナーキーのV7では使用されません。
●ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ
(ミクソリディアン♭2♭6)
なんちゅー長い名前でしょうか。じゅげむじゅげむ、、、。
HMP5↓(Mix♭2♭6)と略されます。
このスケールは、ミクソリディアンの2度と6度を♭させて作りますが、ハーモニックマイナースケールを5度から始めても同じスケールとなるので、この名前がついています。
結果的に、メジャースケールの2,6,7度を♭させたスケールとなります。
メジャーキーでもマイナーキーでも、V7でよく使用されます。
●オルタード
オルタード(Altered)とは「変化された」という意味。
変化されたテンションノートを全て含んでいるからその名前がついています。
テンションノートとは、一般的に、9th, 11th, 13th = 2nd, 4th, 6thのこと。
ということは、これらを♭や♯によって変化させた音をすべて含んでいるんですね。
ドミナントセブンスのコード構成音(1,3,5,♭7)のうち、ルートとしての1度と、ドミナント感を出すのに重要な3と♭7は含まれていますが、なんと5度は含まれていません。
コード構成音としての1, 3, ♭7に、変化されたテンションノート、すなわち♭2, ♯2(=♭3), ♯4, ♭6を足して作られたスケールです。
メジャーキーでもマイナーキーでも、V7で非常によく使用されます。
●コンディミ
二つのディミニッシュコードの組み合わせで作られます
メジャーキーでもマイナーキーでも、V7で非常によく使用されます。
●ホールトーン
各音の間が、全て全音幅になっているスケールです。
独特のニュアンスを持っているため、あまり頻繁には使用されませんが、メジャーキーでもマイナーキーでも、V7で使用可能です。
●まず身に付けるべきもの
ドミナント5で使えるスケールはこのように色々ありますが、まずはハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ(HMP5↓)を身に付けることをおすすめします。
メジャーキーでもマイナーキーでも特に問題なく使えるので、とても便利です。
ただ、音の並びをそのまま覚えてもなかなか実践につながりませんね。
まずはこちらのフレーズで、ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウを覚えましょう。
ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウのスケール上をただ降りて行っているのがわかりますね。
これ、どこかで聞いたことありませんか?
そう、このフレーズの後半は、ジャズのソロの超定番フレーズになっていますね。(参照:ソロフレーズ超定番)
このようにスケールからとらえることもできるのです。
●ポイント
ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウを身につけよう